お知らせ
2017/04/18 入試情報に,平成30年度大学院入試「受験に際しての注意事項」をアップしました.
機械システム工学専攻について
本専攻では,機械システムの多様化・高機能化および機械工学分野の細分化・専門化に対応すると同時に,これらを統合して新しい機械やシステムを自ら創造することができ,かつ,社会的要請に応え得る高度な機械技術者を育成します.そのために,設計・製造を中心とする従来の機械工学の特徴は継承しつつも,物理学,数理工学,材料科学,情報工学,電気電子工学などの基礎工学で得られた成果を吸収し,新しい機械工学の創成を目指した専門教育および教育指導を行っています.
博士前期課課程では,発展しつつある機械工学を習得し,これを中心とする広範な工学的手法を駆使して,目標を効果的に達成することができるプロジェクトリーダーに足る人材を養成します.博士後期課程では,発展する社会の将来を的確に展望し,機械工学から創造的に発展する工学を創り出す能力とともに,機械工学の学問体系を確立・集大成し,高度の指導能力を有する人材を養成します.また,本専攻における教育を通じ,豊かな人間性と高い倫理観をもった人材を育成します.
また本専攻は,工学研究科の航空宇宙工学専攻やマイクロ・ナノシステム工学専攻等と連携することにより,多様な分野にまたがる機械工学の研究教育を実現しています.
機械システム工学専攻 研究グループ(研究室)紹介
講座名 | 研究グループ名 | 研 究 内 容 |
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機械理工学講座 |
長野方星 教授 |
先端計測に基づく次世代熱マネージメント技術の創成 地球環境への負荷低減を目指した熱・エネルギー・燃焼システムの研究,次世代宇宙機の省エネ高効率熱制御や,乱流燃焼場や多抗体内気液挙動解明のための計測と可視化,熱物性計測技術の研究開発など,地球・宇宙にまたがるマルチスケールの熱エネルギーマネージメントを研究対象としています。 ◆先進機能材料の熱物性計測と機能的熱制御デバイス応用 ◆毛管現象を利用した熱エネルギー輸送・利用技術 ◆マイクロスケール多孔体内気液相変化挙動の理解 ◆宇宙極限環境における人工衛星の高効率熱制御 ◆レーザー診断法による乱流燃焼場の計測と可視化 ◆自動車の排気ガスに含まれるナノ粒子の浄化技術の開発 |
成瀬一郎 教授 |
地球・地域環境調和型高効率エネルギー変換技術の開発 地球環境の持続性担保や安全・安心な地域環境を創成するために必要となる物質循環型社会の具現化を目的として,化石資源およびバイオマスを含む廃棄物の環境調和型高効率エネルギー変換技術の開発とその要素研究を行っています。 ◆CO2の排出削減を目指したOxy-Fuel燃焼技術の開発 ◆バイオマスの高効率利用技術の開発 ◆環境調和型廃棄物エネルギー利用技術の開発 ◆微粉炭燃焼ボイラにおける灰付着制御 ◆燃焼・ガス化プロセスにおける微量成分を含む微粒子の生成機構解明と低減技術の開発 ◆膜分離を用いた廃潤滑油再生処理技術の開発 |
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酒井康彦 教授 |
乱流現象の解明と確率的数値計算法の開発 乱流現象は流体力学の未解決問題です。本研究グループでは,乱流による流動抵抗や拡散・混合・反応現象を数値計算と実験により解明するための教育・研究を行っています。また,生体流動現象,乱流騒音,金属電析の問題も研究しています。 ◆噴流,壁面境界層,格子乱流の流動構造・輸送現象の解明 ◆旋回流・ヴォルテクスジェネレータによる噴流熱物質拡散混合制御 ◆速度・スカラ計測プローブや壁面せん断応力計測プローブの開発 ◆シロッコファン翼間のはく離/再付着流れと騒音低減 ◆金属蓄電池内に現れる固液相変態界面現象の解明と制御 ◆脳動脈癌内流れの解明と血液制御法の開発 |
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松本健郎 教授 |
生体組織の力学的適応現象のマルチスケールでの解明と医学・工学への応用 生体組織は力学的にも最適化されており,力学環境の変化に応じて最適状態を保つ場合の多いことが知られている.この現象をタンパクレベルから細胞,組織レベルまで幅広く明らかにし,得られた成果を医学・工学へ応用することを目指しています。 ◆生体軟組織の力学特性・変形特性のマルチスケール計測 ◆生物の発生過程における力学的因子の関与の解明のための胚内部力学環境測定 ◆動脈硬化の早期,簡便診断を目指した血管機能検査装置の開発 ◆ナノ・ミクロンサイズの生体-人工材料の接触解析 ◆医療画像から作成する軟組織モデリングの研究 |
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奥村 大 准教授 |
固体の力学特性:ナノ・マイクロ・マクロ 金属材料や複合材料,セル状材料,ゲル材料のように複雑な内部構造を有する固体材料に対して,ミクロ構造とマクロ特性を結びつけるマルチスケール理論の構築や新しい材料モデルの開発を行い,数値解析によって力学的特性を明らかにする研究を進めています。 ◆周期固体のマルチスケール理論の構築 ◆マイクロメカニックスに基づく非弾性解析手法の構築 ◆非弾性材料モデルの開発とインプレメンテーション ◆ゲル材料のモデリングと膨潤誘起座屈シミュレーション ◆分子動力学法による原子レベル固体力学解析 (2014年版,大野研) |
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松本敏郎 教授 |
数値シミュレーション・バーチャルエンジニアリング技術の高度化と設計工学への応用 数値シミュレーションは理論・実験と並ぶ理工学における問題解決の強力な手法であり,機械構造物の開発過程において数値シミュレーション技術を駆使したバーチャルエンジニアリング技術が急速に発達しています。本グループでは,高度なバーチャルエンジニアリング技術の開発を行うとともに,これに基づく先進的機械構造物の最適設計法の開発に取り組んでいます。 ◆複合材料を用いた次世代自動車構造部材のトポロジー最適設計 ◆局所共振フォノニック構造を利用した革新的制振デバイスの最適設計 ◆流路のトポロジー最適設計 ◆フォトニック結晶やプラズモニクスを利用した次世代電磁デバイス・メタマテリアルの最適設計 ◆アイソジオメトリックモデリングによるシミュレーション技術の開発 ◆大規模高速直接解法を用いた高速・高精度・高信頼な数値シミュレーション技術の開発 |
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機械知能学講座 |
井上剛志 教授 |
機械システムの非線形モデリングとダイナミクス解析・制御 機械力学を中心とし,非線形ダイナミクス,マルチフィジックスモデリング,制御工学,フレキシブルマルチボディダイナミクスを駆使して,機械システムを高速・高精度・高効率で動かすための基盤技術や新しいメカトロニクスシステムに関する研究を行っています。 ◆マルチフィジックスモデリング(ターボ機械の流体力,スマートマテリアル) ◆流体・振動強連成解析と測定技術(ロケット用液体燃料ターボポンプ,軌道追従制御と流体力推定) ◆非線形ダイナミクスと応用(ロータクラックのアクティブ振動診断,ねじり振動の遠心振り子ダンパ) ◆センサレス振動制御とエナジーハーベスティング(圧電素子・電磁アクチュエータ) ◆人工筋肉のロボティクス応用(高分子アクチュエータ) |
水野幸治 教授 |
交通事故における人の行動,衝撃時の人体応答・傷害機序の解明と傷害防止 自動車の衝突のように衝撃が加わった場合の人体の応答や傷害機序を解明し,交通外傷の被害軽減の実現によって社会に貢献することを目指して,衝突や人体挙動の解析やシミュレーションを行うとともに,国内外を含む産学連携により自動車の衝突実験や台上実験を実施しています。 ◆自動車の衝突特性 ◆自動車衝突時の乗員保護方法の確立 ◆歩行者・自転車の事故における傷害機序の解明と傷害防止 ◆複合材料の衝撃エネルギー吸収特性 ◆ドライブレコーダを用いた交通事故発生および傷害防止方法の解析 ◆高齢者の転倒による大腿部骨頭頸部骨折のヒッププロテクタによる保護 |
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山田陽滋 教授 |
人間機械系の安全と協調を達成する安全知能学の創設と体系化 動的システムの計測制御を基盤技術とし,ヒューマンファクタを考慮することにより,人間機械系の安全と協調を達成する安全知能学の学際的フレームワークの創設・体系化を目指す.臨床福祉や製造SI(system integration)等の現場支点を充分に考慮した人間支援機械系の研究開発を行動指針とし,社会連携も鋭意推進しています。 ◆装着型ロボットの安全評価試験方法の構築 ◆人間の歩行や運動の解析とこれを支援する装着型ロボットの開発 ◆眼部に迫る機械的ハザードに対する人間の回避行動に関する研究 ◆機能安全に基づく機械システム・ロボットのリスク低減方策の研究 ◆臨床ロボティクス(理学療法支援,患者シミュレーション) ◆ハプティクス(触力覚インタフェース,運動感覚など) |
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東 俊一 教授 |
メカトロニクスに知能を与えるシステム制御と情報処理 メカトロニクスの知能化に資するシステム制御と情報処理に関する研究を,ハードウエア(機構,センサ,アクチュエータなど)とソフトウエア(モデリング,制御,最適化,適応/学習など)の両面から行い,人間と機械のより良い共生をめざします。(動画はこちら) ◆数理モデリング(制御用モデリング,モデル低次元化など) ◆システム制御論(ロバスト制御,非線形制御など) ◆高度知能化制御(階層化制御,適応/学習制御など) ◆冗長ロボット(多自由度マニピュレータ,ヘビ型ロボットなど) ◆制御系実装技術(車両運動制御,アクティブ制振制御,エンジン制御,エネルギー管理システム) |
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宇野洋二 教授 |
脳の運動制御メカニズムに基づく知能システムの設計と制御 人間の巧みで多様な運動は,脳神経系の優れた制御メカニズムによって実現されています。このような脳の運動制御の仕組みや学習機能を解明するとともに,制御理論や最適化手法を用いて,インテリジェントな制御システムの研究を行っています。 ◆人間の身体運動の解析と制御メカニズムの解明 ◆感覚運動統合システムと運動学習の数理モデル ◆ヒューマノイドの学習制御とスキルの獲得 ◆下肢麻痺者のための装着型歩行補助ロボット ◆最適化手法に基づくシステムデザインとスケジューリング |
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鈴木達也 教授 |
先端システム科学によるモビリティシステムのモデル化・解析・制御 ハイブリッドシステム論や自律分散システム論等のシステム科学における最新の成果に基づいて,次世代モビリティのあるべき姿を探求します。特に人間との共生,複雑な環境への適応,という視点を意識し,理論構築と実装技術の両面において新たなブレークスルーを目指します。 ◆数理モデルに基づく運転行動解析とその自動運転への応用 ◆運転行動支援のための制御理論・HMI技術の構築 ◆複数車両の協調制御に対するシステム論的アプローチ ◆車輪型自律移動体の知能化制御 ◆多脚移動ロボットの分散制御と運動計画 ◆車載蓄電池を活用したエネルギーマネジメントシステムの構築 |
講座名 | 研究室名・研究内容 |
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機械理工学講座 |
長野方星 教授 先端計測に基づく次世代熱マネージメント技術の創成 |
成瀬一郎 教授 地球・地域環境調和型高効率エネルギー変換技術の開発 |
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酒井康彦 教授 乱流現象の解明と確率的数値計算法の開発 |
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松本健郎 教授 生体組織の力学的適応現象のマルチスケールでの解明と医学・工学への応用 |
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奥村 大 准教授 固体の力学特性:ナノ・マイクロ・マクロ |
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松本敏郎 教授 数値シミュレーション・バーチャルエンジニアリング技術の高度化と設計工学への応用 |
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機械知能学講座 |
井上剛志 教授 機械システムの非線形モデリングとダイナミクス解析・制御 |
水野幸治 教授 交通事故における人の行動,衝撃時の人体応答・傷害機序の解明と傷害防止 |
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山田陽滋 教授 人間機械系の安全と協調を達成する安全知能学の創設と体系化 |
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浅井 徹 准教授 メカトロニクスに知能を与えるシステム制御と情報処理 |
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宇野洋二 教授 脳の運動制御メカニズムに基づく知能システムの設計と制御 |
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鈴木達也 教授 先端システム科学によるモビリティシステムのモデル化・解析・制御 |